認知症だった祖母との思い出

優しかった祖母が認知症に

私の母方の祖母は、70代後半に入った頃から、認知症の兆候が出始めました。

 

戦争時代に夫を亡くし、女手一つで3姉妹を育ててきた祖母。
その3姉妹のうちの一人が、私の母です。

 

私は中学生になるまで、よく祖母の家に母と泊まりに出かけていました。
とても優しくて、穏やかで、早起きの私が目覚めると一緒に起きてくれ、朝から散歩に連れ出してくれました。

 

だから、祖母が認知症だと聞いても、あまりピンときませんでした。

 

母の妹である私の叔母は、ずっと独身でバリバリ働いて祖母と同居していましたが、祖母の介護のために退職。
そこまで認知症が進んでいるということですが、私が母と一緒に顔を見せに行った時は、いつもニコニコして昔話をしてくれ、言われなければ気付かない程でした。

 

だけど、叔母の負担は相当だったようです。
認知症は、神経質になったり、被害妄想が強くなる症状があります。
祖母は、清潔にしてある部屋の臭いを常に気にし、叔母が自分を蔑ろにしていると勝手に思い込み、酷い言葉を浴びせることがあると聞きました。
叔母が母に相談の電話を何度もしていたことも知っています。

 

認知症が進むと、祖母は勝手に外出し、戻れなくなることも増えてきました。
母もできる限り協力していましたが、母は母で、私の父方の祖母と同居しており(祖父は数年前に他界)、手一杯のところもありました。

 

もう一人の叔母も、とても協力的でしたが、自分が夫の寝たきりになった母を数年介護して看取った経験から、介護の限界を感じ、介護施設に入れることを提案。

 

いよいよ認知症の症状が酷くなってきたころ、祖母は介護施設に入ることになりました。
介護施設は、何か所も叔母が見学をし、限りある予算の中で、最も対応の細やかなところを選び、その費用は3姉妹でお金を出し合うことが決定。
私の父も、叔母の夫も、何一つ文句を言う事なく、費用を出すことを快諾。

 

その後、祖母が91歳で亡くなるまで、祖母が寂しい思いをしないように姉妹で代わる代わる施設を訪れていました。

 

認知症と向き合うには

認知症は、本人はもちろん、介護する側にも大きな負担がかかる病気です。

 

私は生まれた時から父方の祖父母と同居しており、結婚して家を出た後、祖母が軽い認知症を発症してしまったのですが、穏やかな母が自宅介護で疲れ果てている姿を見て、胸が苦しくなりました。
子供が既に生まれていたので限界がありましたが、なるべく実家に戻るようにして、母の力に少しでもなれればと強く思ったものです。

 

これから高齢化社会はどんどん進んでいき、認知症患者もどんどん増えていくと言われていますよね。

 

認知症患者と、それを取り巻く家族が幸せでいるためには、周囲の協力はもちろん、社会の理解や国の支援が必要だと思います。

 

将来、私や夫の両親が認知症になってしまうかもしれません。
もっと遠い未来、自分が認知症になる可能性だってあります。
自分がいつ当事者になるかはわかりません。
誰にでも、可能性がある事なのです。

 

だからこそ、認知症と向き合わねばならない時がきたら、しっかりと対応できるよう、アンテナを張って情報に敏感にならなければならないと考えます。